檄とっつあん ■ 新 馬 券 論 ■


いよいよ2004年夏からJRAでも3連単が導入される。夢馬券時代の到来である。だが喜んでばかりはいられない。殆んどのファンは3連複の経験で、それなりの感触を掴んでいる事だろうが、実情は、「思ったより難しい、配当が案外少ない」といったところが大方の正直な感想のようだ。3連単は難しい。馬券の本質をわきまえないで,今までと同じ曖昧な考え方で馬券を買い続けると、とんでもない事になってしまう。何故なら、3連複と同じ組み合わせを全て買おうとすると6倍の点数を買わなければならないのだから、3連複を1R3000円買っていた人なら、同じ組み合わせが18.000円に跳ね上がってしまう。とても買い切れるものではない。だが、その配当は穴馬が絡むと3連複のおよそ8倍から12倍。つまり、6倍の金額を買っても、3連単の方が得である。しかし、購入点数が飛躍的に多くなるので、ものにするには、馬券に対する考え方を根本的に変えなければ対応できない。これから述べる事は、3連単のみならず全ての馬券に通じる基本なので、ファンの皆さんには、これを機会にぜひ、馬券買いの正しい姿勢を身に付けてほしい。

1.狙い馬がいるから買う!
レースを分析し,成績からAとBとCの馬が有力である、展開によってDとE、Fも武豊が乗っているから外せない。従ってこのレースはA,B,C,D,E,Fのボックス買い、等という予想作業は、実はファンの皆さんが時間を割いてすべき事ではない。第一、レース毎の有力馬を予想し、その馬券を買うのであれば、全レースの馬券を買わなければならない。断言するが、全レース予想してプラスにできる人間はいないし、そんなソフトを作る事もできない。何故なら、そんなに簡単なものなら、競馬がギャンブルとして成立せず、あっと言う間に崩壊してしまうからだ。大変残念な事だが、馬券を買う側は、ある限定された局面でしか、プラスに持っていく事が出来ないのが真実である。限定された局面、つまり、狙いの立つ馬がいるから買うというのが、本来の姿。レースがあるから買うというのは、大間違い。

2.狙いを1頭に絞り込め!
 3連単、3連複を買うには、言う迄もなく3頭を定めなければならない。最初の馬をX、2番目の馬をY、3番目をZとしよう。Xは狙いの馬である。これは1Rにつき1頭。しかも多くのレースに存在してはいけない。又、絞りきれない場合でも2頭に絞り込まなければならない。Xを1〜2頭にしないと、3連単、いや3連複も買いきれない。これは絶対条件。何がなんでもそうしなければならない。又、3連単に限らずどんな馬券でも、狙いを1頭に絞ることによって、始めてトータルで馬券がプラスになる可能性がある事を、よく理解してほしいし、プロに近い人ほど、馬券は流しである。Yは相手の馬。一般的にいう有力馬である。Zは第3の馬。この馬をどう選ぶかで、馬券の買い方のポリシーが決まる。分かりやすく馬券の構造を次に示そう。

単勝、複勝     X
馬連、馬単、ワイド X―相手Y(1、2、3・・)
3連単、3連複   X―相手Y(1、2,3・・)―Z(1、2,3・・)

全ての馬券の基本が第1の馬Xにある事がお分かりいただけるだろう。

3.自分だけの物差しを持て!
では、狙い馬とは、どんな馬だろう。有力馬を検討して、どの馬が1番来そうだろうか?なんて考えるのは大間違い。あなたが、いくら頭を絞って有力馬を検討しても、同じ事を誰もが考えて、大差ない結論に行き着いてしまう。これでは考えるだけ時間が無駄。狙い馬とは、一番力の強い馬、或は連対しそうな馬、つまり一般に言う有力馬の事ではない。ある局面においてのみ、連対(3連単であれば3着迄)する可能性のある馬の事である。では、ある局面とは一体どんな事を指すのだろうか?父っつあんは今まで、さんざんそんな馬達について述べてきた。1番簡単な例を1つあげよう。高額条件レースにおいてクラス理論の着実績は間違いなく効く。着実績上位の馬が人気薄になった時だけ狙うようにすれば、それだけで夢のような馬券が獲れる。要は、他のファンが余り用いない、しかし正確な自分だけの物差しを持ち、当てはまる馬が人気薄になった時だけ狙うという姿勢を身につけなさいという事である。

調子、追い切り、血統、厩舎の談話・・新聞やTVが力をいれて報道する、こういった予想まがいの根拠と称する類は、実際の競争には一切関係なく、検討すべきファクターではない。マスコミを賑わし雰囲気を盛り上げるだけの、只のパフォーマンスだと思えばいい。参考にするのは大間違い、クソの役にも立たない。あなたは、こういったまやかしの類とは別の、自分だけの正確な物差しを持たなければならない。

着実績実例
「着実績」は父っつあんのクラス理論の根幹をなす理論である。詳しくは「父っつあんのパラダイス万券術」(KKベストセラーズ社刊)を読んで頂くとして、簡単に言うと、様々なクラス条件で記録した出走各馬の成績を、本走のクラス条件に換算し直して比較するというもの。換算表はこのホームページに「クラス換算表」として常時掲載しているので、印刷するなどして活用してほしい。
さて、着実績を比較する上で重要なのは、芝、ダートの別と距離範囲である。本走が芝なら芝のみの着順、ダートならダートのみの着順で比較する。距離は本走±300mの距離の範囲のみを比較する(例外として3000m以上は全て同じ距離範囲とする)。纏めると次のようになる。
1.クラス換算表で前5走の出走クラスを換算する。
2.次の3条件を全て満たすレースの着順を比較する。
A.本走と同条件以上のレース。3才戦等で該当が少ない場合は本走より2つ下のクラス迄。
B.本走と同トラック(芝、ダートの別)のレース
C.本走と±300mの距離範囲のレース
3.着順は4着迄を比較し、換算表で上のクラスの成績を上位とする。

2003年5月11日(日) 1回東京6日11R 
GI NHKマイルカップ 芝1600m

このレースはGI芝1600m。距離範囲±300mすなわち芝1300〜1900mのレースの着実績順に並べると下記のとおりになる。

5番タイガーモション  GI1600m 4着 12人気35.2倍
 3番エイシンツルギザン GII1600m 1着  5人気10.9倍
 7番ギャラントアロー  GIII1600m 2着 10人気27.3倍
 8番サクラタイリン   GII1600m 3着  3人気5.1倍
16番ウインクルーガー  GIII1600m 1着  9人気26.0倍
  6番エコルプレイス   GIII1600m 2着 13人気40.8倍
  1番ニシノシタン    GIII1600m 3着 11人気29.2倍

上位馬の人気の無さは驚くばかり。なぜ、GIIニュージランドトロフィー1着馬エイシンツルギザンが、同じレースの3着馬サクラタイリンより評価が低いのだろうか?よく、走ったコースがどうだとか、ペースがスローだ、ハイだとかで評価を変えてしまう人がいるが、着順はそういったものを全て包含した上での結果である。事実を曲げてはいけない。出遅れや大きな不利はともかく、多少のことは厳然たる事実の方が上回る。ましてや、競技の世界では、1着と2着の差は永遠である。例え着差が鼻差0.0秒しかなかったとしても、同じメンバーで全てを同条件で10回走らせれば、余程力の差がないメンバーで無い限り、最初1着だった馬は恐らく5回か6回以上は1着をとり、2着だった馬は1,2回しか1着をとれない。勝ちきる力とはそういうものである。
ホームページで前日公開した父っつあんの予想は次のとおり。

本紙予想 
 実力接近で混戦模様。一応の軸はGII1600mNZT勝の3番エイシンツルギザン。相手は1600mの着実績から7番ギャラントアロー、 8番サクラタイリン、16番ウインクリューガー、6番エコルプレイス、1番ニシノシタン。
 3−7,8,16,6,1  馬連。好配当のタテ目も一考。

穴予想
 穴馬はなし

一応の軸と表現したのは、着実績1位の5番タイガーモーションの存在が悩ましかったからである。本来はGI朝日杯FS4着の方がGII1着より格上なので、同馬を軸に取らなければならない。ところが、同馬の前5走の成績は、GIII2着、12月GI朝日杯4着の後、GIII5着、GII7着、GI皐月賞17着と、まるで成長が止まっている。そして、大事な事は、この間不振を立て直すための休養がない。さらに止めは5走ずっと鞍上が江田照だったのが、石崎隆に乗り替わった。江田照の行き先はまるっきり見込みのないクレンデスターン。直感的に石崎隆に乗り替わって勝負という訳ではないと感じる。誤解を招くといけないが、石崎隆はご存知のとおり公営No1ジョッキーであり、その腕は超一流である。但し、前に騎手に触れて書いた事があるが、中央では残念ながら一流の馬に乗せてもらえないというか、むしろ、大レースで勝ってもらっては困る雰囲気すら感じる。安藤勝が優先して勝負掛かりの馬に乗せてもらえるようになったのは、JRAの身内になったからである。石崎隆は他所者である。敢えて極論を言えば、この馬で好勝負になれば、曲がりなりにもGIジョッキーの江田照の面子が丸つぶれになる。いや、江田照ばかりではなく、このレースに出走している他のGIジョッキーの面子も潰す事になる。今のところでは、まだ、中央ジョッキーのプライドの方を大事にするであろう。
1.12月朝日杯以降、成長がとまったように見える
2.陣営に熱意や期待感が感じられない
A休養等の建て直しがない(不振の場合の休養は、とても重要である)
B騎手の乗り替わりに勝負気配がない
以上の理由で5番タイガーモーションをバッサリ切った。「一応の軸」という書き出しにはこんな背景があった。さらには、同馬をせめて穴馬に残そうと考え込んだが、やはり見込みがないために穴馬無しとなった。もし、休養を挟んでいたら、騎手が誰であれ、絶好の穴馬と感じたであろう。

結果 16−3−9 単勝26.0倍 馬連175.2倍 馬単423.9倍
           3連複964.9倍

馬単423倍は、人によっては夢のような馬券ではないだろうか。だが、こんな例が毎週、簡単に出る訳ではない。「着実績」はGレースで狙うのが一番効率がいい。ある局面とはこういう事を指して言う。1ヶ月間、1頭も狙い馬がいない事もあるので、辛抱強く狙い続ければ、いずれ又、夢のような馬券が獲れる事は確かである。

4.相手馬Yとは?
 父っつあんに言わせれば、狙いの馬(穴馬)を見つけ出すのは。難しい事ではない。3で述べた着実績等は実に簡単な原理で、こんな事で穴馬を見つけたなんて威張っていいのかね?という位のものだ。本当に難しいのは、馬の力を正確に測定して、相手馬を何頭かに絞る事である。理論などと言ってるが、馬は理屈に則って走っているわけではない。人間が勝手に後解釈でそう称しているだけの話である。つまり、穴馬Xを見つけても相手馬Yはランダムである。早い話が、何が来るか分からないということ。こう言ってしまっては、身も蓋もないので、力量順に来ると仮定して、相手馬をできるだけ数少なく正確に絞り込む事こそが一番大変で、時間とエネルギーを使う事である。予想する人間の力量が最も問われる部分である。特に馬連と馬単は、ここ迄で全てが完結してしまう。

しかし、一般ファンにとっては、相手馬は殆ど考える必要のない部分でもある。簡単である。連対率や複勝率は、確率から言えばどんな予想よりも人気順の方が優れているのだから、相手馬Yは人気順に何頭か並べればそれですんでしまうし、その方法が一番間違いない。相手馬を5頭にするんだったら、1番人気から5番人気まで、或は配当を考えて2番人気や3番人気からルールで決めた頭数分だけ必ず人気順に相手を並べるように決めれば、それですむ。
だが、父っつあんは曲がりなりにもプロと称しているので、ここを逃げるわけにはいかない。この部分、つまり相手馬Yをいかに正確に、且つ少なくするかに心血を注いでいる。ちょっと前に、本紙予想をこの考え方で2頭或は3頭などと表示したが、慣れない会員の方を混乱させてしまったので、今は5頭に戻している。本紙馬2頭しかいない場合、馬連1点、馬単2点しか買いようがなく、3連複は買えない。こういった点で会員からお叱りを受けてしまったのである。
さて、このように連対の相手を何頭かに絞る事は、人気順を採用すれば極めて簡単、それ以外の方法では極めて難しい問題であるが、幸いなことに3連複、3連単という新馬券が登場した。この2種類の馬券の場合は、考え方を変えれば、2番目の馬・相手馬Yは3着までに入る確率の一番高い順に数頭とする事ができる。そこで、一般ファンは、ここに人気順に5頭並べれば、90%以上のレースで、どの馬かは、3着までに入る。父っつあんの場合は、理論で追い込んで、確率は70%位と少し悪いが、2〜3頭迄に絞り込める。特に3連単ともなると点数が買い切れなくなり、1頭でも削減したいところなので、我々の予想はファンの参考になる。

5.第3の馬Zとは?
 3連複、3連単の場合の場合、どうしても、もう1頭、第3の馬Zを想定しなければならない。だが、この第3の馬に幾ら思いをめぐらせても、それこそ時間の無駄である。理屈では掴まえられない。全くランダムと考えた方がいい。ならば、どうすればよいのか?腹を決めるしかない。選択肢は2つ。第3の馬を人気サイド(1〜5番人気の5頭)に決めて、そこそこの配当で我慢するか、穴サイドに決めて夢馬券を求めるか。但し、固そうだとか、荒れそうだとかレースによって変えるのは一番よくない。どちらかに決めて、徹底しなければならない。父っつあんは、勿論、夢馬券を推奨する。以前提唱した「システム馬券」の手法である。夢といっても決して運は必要ない。システム馬すなわち10〜16番人気(12〜14頭立てでは8番人気以下)が3着までに絡むレースは、驚く無かれ、30%以上ある。3レースに1頭は超穴馬が3着迄に絡んでいる。関心がない皆さんが気付いていないだけで、穴馬は密かにせっせと仕事をしているのである。必要なのは運ではない。頭脳と思い切りである。この2つがあれば誰でも夢馬券を手に入れる事ができる。

6.夢馬券!
  2003年5月25日 2回東京2日
11R オークス
前日の公開予想を再現しよう。
  本紙予想
  略・・軸は3番スティルインラブ。相手は2番アドマイヤグルーブ、4番ピースオブザワールド、7番シーイズトウショウ。牝馬の名騎手は池添謙と吉田豊。この2人の騎乗馬は牝馬大レースでは常に押さえる必要がある。6番タイムウイルテルを追加。
  3ー2,4,7、6 馬連
穴予想
  牝馬戦で大穴をあける典型的なパターンは強烈な末脚をもつ馬。
スローペースになりそうなのが気がかりだが、GIIフローラS で15頭抜き上がり34.7秒を記録した14番シンコールビーと オープン特別とやや役不足ながらやはり15頭抜き34.3秒の上 がりを披露した15番メモリーキアヌ。但し15番は人気なら バッサリ切り捨て。
  14−3、2,4,7,6   馬単裏表
 (15−3,2,4,7,6)  馬単裏表

このレースは穴馬がいるので、当然狙うべきレース。勿論狙いの穴馬Xは14番シンコールビー(9番人気52.8倍)と15番メモリーキアヌ(5番人気13.6倍)。但し15番は穴人気で、やや不満。切り捨てていい。相手馬Yは本紙の軸馬3番スティルインラブ(2番人気5.6倍)以下5頭だが、軸3番を主力にすることができる。

馬連 穴馬X−相手Y
14−3、2、4,7,6
馬単 穴馬X−相手Y
14⇔3、2,4,7,6
結果はスティル1着、シンコー3着で不的中。

3連複 穴馬X−相手Y−第3の馬Z(システム=10〜16人気)
 14−3,2,4,7,6―10,5,7,17,11,9,16
 7番が相手と第3の馬両方にまたがっているので、3連複の買い目は34点。相手を軸の3番1頭に絞れば7点。3連単はその6倍で、204点と42点。3連単になるといかに相手馬を削減する事が大事かお分かりいただけるだろう。

 結果 3−17−14 単勝5.6倍 馬連244.8倍 馬単339.5倍
            3連複955.3倍

 2着チューニーは13番人気93.7倍。いかに能力を測ろうとしても捕えられない。だが、馬券をシステムに組めば、何も考える必要がなく自然と網に入る。穴馬14番から入って馬連、馬単は不適中。しかし、3連複は、システム馬券で、ぎりぎり絞り込めば僅か7点で955.3倍の的中。3連単なら1〜3着をぐりぐり全部ぶん回してその6倍、42点。1点100円買いで4200円の投資。配当はおおよそ100万円。1ヶ月に1回当たれば充分じゃないか?

必要なのは運ではない。頭脳と思い切りである。この2つがあれば、誰でも夢馬券を手に入れる事ができる。

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